#002 CVR改善のポイント/Web解析士合格までにやった勉強
お世話になっております。月曜日のトラ代表の西です。
12月の月曜日のトラのメールマガジンをお届けします。
12月も半ばですね。今年の年末年始休暇は9連休となり、心身をしっかり休養する方、旅行やグルメを楽しむ方、自己啓発やインプットに励む方など、さまざまな過ごし方を計画されていることと思います。
私は、この数ヶ月で急速に進化している生成AIの動向を追いかけ、キャッチアップしようと考えています。v0による生成AIを活用したWebサイトやアプリ開発、AIコードエディタのCursor、そしてOpenAIが最近発表した動画生成AI Soraなど。
2025年はデジタル制作の現場が大きく変革する年になると予想されます。しっかりと時間をとって触ってみて、なにがどう変わるのか、その変化を体感したいと考えています。
プライベートでは、世界中に餃子に似た料理があることを知り、いくつか作ってみようと計画しています。スペインのラビオリ、ネパールのモモ、中央アジアのマンティなど。
餃子は調理法×具材×皮×タレの変数の組み合わせで多彩なバリエーションを楽しめるため、パーソナライズやシナリオ作り、A/Bテストの企画が好きな方には格好の食材のひとつといえるでしょう。
さて、12月になると、きまってお伝えしていることがあります。それはGA4などの計測環境をできるかぎり年内に整備しておこうということです。多くの方が分析レポートで年別推移を確認されていると思いますが、2025年以降のデータは正確に計測できていると言えると、なんとなく気持ちいいですよね。
「師走の忙しい時期にそんな余裕はない!」とお考えの方も多いかと思いますが、もし少しでも時間が作れそうでしたら、ぜひ見直してみてください。
なお、連休直前に設定を行うと、万一、設定をミスしていたときに、休み明けまで気づかないという事態を引き起こしますので、設定整備をするならばお早めにやりましょう。
[連載] CVR改善の道
施策前の3C分析が肝
CVR改善というと、メインビジュアルのキャッチコピーをA/Bテストするとか、入力フォーム最適化(EFO施策)をするとか、手法にフォーカスされがちです。
無料のA/Bテストツールも提供されており、誰でも簡単にCVR改善施策を実施できるため、比較的気軽に取り組むことができる一方で、いざやってみるとなかなか改善しない、3ヶ月くらいやってみたけど効果が出ないからやめてしまった、というのはあるあるです。
そもそも、マーケティングの成功には、戦略というものが欠かせません。 生成AIや機械学習などが浸透している現在においても、フィリップ・コトラーは、彼らの基本理念は「技術は戦略に従うべきだ」と述べています。
CVR改善の文脈では、いかにウェブサイトの情報で自社の製品を選んでもらうか、という戦略が重要です。このフェーズにおいては4P分析のフレームワークが代表的ですが、CVR改善において最も重要なのは3C分析です。
3C分析は、市場・顧客、競合、自社の提供価値を整理し、自社の独自性、狙うべきポジショニングを明文化するのに役立ちます。 この「自社の独自性、狙うべきポジショニング」のことをバリュープロポジションと呼びます。
例えば、キャッチコピーのA/Bテストは、CVR改善施策のなかでも最も簡単で多く実施される施策のひとつです。はじめてCVR改善にトライする際に行われることも多くありますが、なかなか結果は出ません。 その原因の多くは、他社と差別化できていない訴求、市場・顧客が求めていない訴求でテストしていた、ということです。
3C分析には高度なツールは必要ありません。既存顧客へのアンケートや、競合他社サイトで訴求されている内容などをスプレッドシートなどにまとめるだけで整理できます。なお、調査の順番は、市場・顧客→競合→自社がおすすめです。初めに自社分析を行うとバイアスがかかってしまうためです。
一般的に、A/Bテストの平均的な勝率はあまり高くありません。 Microsoft で実際に行われたテストでも改善につながったアイディアは全体の3分の1程度といわれています。
CVR改善の勝率をあげ、効率的に成果を出すために、まずは3C分析によるバリュープロポジションの明文化に取り組んでみてください。
次号では、3C分析の具体的な作成方法について解説しますので、お見逃しなく。
(執筆:梶井 祥)
ウェブ解析士合格!やった勉強をご紹介
ある日の1on1で代表から「ウェブ解析士の資格、取ってみたら?」と助言をもらい、挑戦してみることに。そして、無事に合格!
今回はその合格までの勉強方法をご紹介します。
合格までにやったこととしては以下になります。
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試験概要の把握
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模擬試験の受験
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模擬試験で間違えた単元の公式テキストを読み込む
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本番に向けた最終確認
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試験本番
1. 試験概要の把握
試験形式はオンラインで行われ、試験時間は90分、出題数は50問です。問題形式は4択問題で、GA4(Google Analytics 4)関連の問題も含まれます。
90分で50問を解く必要があるため、模擬試験では1問あたり約1.8分を目安に解答する練習を行いました。時間配分を意識するために、迷った問題は一旦スキップし、後で再度見直す習慣をつけます。
2. 模擬試験の受験
この問題集に付属するWebアプリ問題集を活用し、問題に慣れていきます。
解答練習中に理解が曖昧だった用語や概念については、その都度調べて覚えることに努めました。間違えた問題テキストを読み返し、問題の意図を把握しながら学習を進めます。
3. 模擬試験で間違えた単元の公式テキストを読み込む
模擬試験で間違えた単元を公式テキストで読み込み、出題意図や背景知識を深く理解するようにしました。
特に重要な箇所についてはメモを取り、繰り返し見直しました。また、関連する実際のウェブ解析ツールや事例にも触れることで、実践的な理解を高めました。
4.本番に向けた最終確認
問題集を繰り返し解き直し、解答が曖昧な箇所を復習します。
また、専門用語の暗記には、スプレッドシートを活用しました。さらに、GA4の操作画面や機能の概要を復習し、実際の解析ツールに関する知識も補完しました。これにより、試験での実践的な問題に対応できる自信をつけました。
5.試験本番
問題集では表を使ったCVRの出し方などの問題がありましたが、実際の試験では出てきませんでした(※2024年受験時点)
解答が不安な問題にはチェックをつけることができるので、はじめはさっと解いて、余った時間で解答が不安な問題を見返します。
GA4の権限が付与され、実際にGA4を確認しないと解答できないような問題が出題されました。
GA4の問題をいくつか落としてしまいましたが、無事合格することができました!
(執筆:小松 愛)
おすすめ書籍 & コンテンツ
今号より、データに関わるみなさんにおすすめの書籍を紹介してまいります。初回は西が担当します。
「Web担当者フォーラム」にてGA4関連のおすすめ書籍を2冊とりあげていただいておりますので、ご紹介します。
Web担 オススメの課題図書
データ分析初心者から中級者まで必読! データ活用の専門家が勧める10冊で悩みを解消
『できる逆引き Googleアナリティクス4 成果を生み出す分析・改善ワザ 192 できる逆引きシリーズ』(木田和廣:著 インプレス:刊)
GA4を利用する際に「これをやりたいけど、やり方がわからない」と感じたことはありませんか?この書籍はそういったお悩みに的確に答えてくれます。情報の網羅性も高いので、デスクの傍らに置いておけば必ず役立つはずです。
『現場のプロがやさしく書いたWebサイトの分析・改善の教科書【改訂3版 GA4対応】』(小川卓:著 マイナビ出版:刊)
GA4を使いこなすためには、機能や設定方法の理解だけでは不十分です。
本書は、GA4の基本的な使い方に加えて、KPI設計などのアクセス解析の実践的なアプローチについても解説しています。GA4で何を分析すればいいのかわからないといった、本質的なお悩みにお応えできる一冊です。先述の「できる逆引き」と併せて読むことで、深い理解が得られるでしょう。
月曜日のトラからのおしらせ
月曜日のトラのデータエンジニア、杉浦がBigQuery Advent Calendarに技術記事を書きました。ちょっと難しめな内容ですが、興味ある方はぜひお読みください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今月のメールマガジンでは、生成AIの進化やCVR改善のための3C分析、そしてウェブ解析士試験の勉強法など、多岐にわたるトピックスをお届けしましたが、いかがでしたでしょうか? もし興味を持たれた内容や実際に試してみたいと思ったことがあれば、こちらのメールに返信の形にて、ぜひ感想をいただけたらうれしいです。
今後も実務に役立つ情報やトピックスをお届けしてまいります。
寒い季節が続きますので、どうぞお体にはお気をつけてお過ごしください。