メールマガジンバックナンバー

#003 CVR改善・CAPI導入のヒントをご紹介!

作成者: 月曜日のトラ|2025/1/09

あけましておめでとうございます。月曜日のトラ代表の西です。
月曜日のトラのメールマガジンをお届けします。

 

新年が始まり、何か新しいことに挑戦したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

私自身、これまで数多くのWebサイトを分析してきましたが、1月はフィットネスジムや英会話など、まさに年の初めに決意新たにスタートするタイプのWebサイトのお申し込みが増える傾向が見られます。もちろん、それを見越して、この時期に多くの企業が新規顧客向けキャンペーンを展開することも一因かもしれません。

 

弊社にとって今年は領域拡張の年と考えています。
これまで多くの企業様をご支援してきたアクセス解析ビジネスや、着実に型が整ってきたデータ基盤構築ビジネスに加え、今年はMA(マーケティングオートメーション)やCRMプラットフォームといった「攻めの施策」にも取り組んでいきたいと考えています。

 

弊社はデータ分析を生業にしておりますが、データ分析そのものは利益に直結しません。分析や分析のための基盤構築だけでなく、実際に利益に直結する、そのような領域にも切り込んでいきます。そして、年度末までにはMOps(マーケティングオペレーション)の領域で名前を挙げる存在となることを目指しています。

本年も、「月曜日のトラ」をどうぞよろしくお願いいたします。

 

[連載] CVR改善の道

3C分析は各要素の関係を考えるべき

前回は3C分析の重要性についてお話ししました。未読の方向けに一言で要約しますと「CVR改善にも戦略が必要」です。今回のテーマは「3C分析をどのように考えるか」です。

ポイントは各要素を個別に考えるのではなく、要素間の関係を知ること。

まず、3C分析は競合と市場・顧客の「外部要因」、自社の「内部要因」として分類できます。

 

前者の外部要因ですが、これらは独立に存在しているのではなく「マクロ環境」によって左右されます。代表的な要素をPESTと呼びます。経済状況や技術発展によって市場のニーズが変わっていくことは直感的にもわかりますね。

 

続いて、内部要因としての自社ですが、唯一コントロールできる要素である点は特徴的です。自社が他社に負けないためには、マクロ環境に左右される競合と市場・顧客の動向に合わせて最適なポジショニングをとる必要があり、これがCVR改善の施策立案の前提となります。 詳細は割愛しますが、最終的なアクションに落とし込むときはSWOT分析もおすすめです。

 

以上の情報を整理すると3C分析の考え方は以下のようになります。

3C分析

Googleで「3C分析」を検索するとテンプレートがたくさん公開されていますので、好きなものを使って分析しましょう。アウトプットの形式よりも、たくさんのデータに当たることが大切です。

具体的な分析を行う際におすすめのデータソースを紹介します。参考にしてみてください。

Customer

  • 業界リーダー企業の決算説明資料

  • 成長要因や成長している事業セグメントを見ると市場の動きを推察できます。

  • 第三者機関、シンクタンクの調査データ

  • PRTIMESなどのプレスリリースサイトや矢野経済研究所、帝国データバンクなどがおすすめ。

  • SNS投稿、口コミ

Competitor

  • 競合サービスサイト

  • 競合企業の決算説明資料

  • SNS投稿、口コミ

Company

  • 自社への問合せ内容

  • SNS投稿、口コミ

  • アクセスログ(Google アナリティクス、サーチコンソール)

最後に、CVR改善の文脈で3C分析を行う際の注意点を2点お伝えします。

1.定期的に見直すこと。

競合と市場・顧客の動向はマクロ環境要因によって左右されます。当然、ずっと同じ環境は続きません。1年ごとを目安に見直しましょう。

2.「CVR改善」にこだわらないこと。

3C分析を経て「これはCVR改善ではどうにもならない」と気づくこともあります。例えば商品自体の改善が優先されるケース。それはそれで発見です。CVR改善の成功率を高めるためには、CVR改善を行うべきタイミングを見極めることも重要なのです。

執筆/梶井 祥

 

CAPI・拡張コンバージョンとCookie同意管理

このメルマガをお読みの皆さまの中には、Google広告やMeta広告を活用されている方も多いのではないでしょうか。

 

最近では、コンバージョンAPI・拡張コンバージョン(以下CAPIと略します)への対応を広告代理店から提案されるケースも増えています。しかし、「CAPIとは具体的になんなのか?」と疑問を持たれている方も少なくないと思います。

そこで今回は、CAPIについて簡潔にご説明します。

CAPIとは?

CAPIは、Cookieに依存しない広告のコンバージョントラッキング方式です。個人情報(メールアドレスや電話番号など)をコンバージョン時にハッシュ化(≒不可逆な暗号化)してGoogleやMeta等のプラットフォームに送信し、プラットフォームが持つクリック情報と照合することで、より正確な計測を可能にします。

 

Cookie内の情報(Click ID)だけでなく、他のデータソースを活用することで、クリックとコンバージョンの紐付けを補完する仕組みです。

なお、最近話題の「CookieLess」という言葉にCAPIも含まれることが多いですが、Cookieを完全に排除する「代替手段」というよりは、Cookieを補完する技術である点に注意が必要です。

導入時の注意点

CAPIを導入する際、特に気を付けるべきポイントは個人情報を使用することです。多くの企業ではプライバシーポリシーに個人情報は第三者に提供しないと記載されています。このままではCAPIの実装がプライバシーポリシーと矛盾してしまうため、ポリシーの改定が必要です。

プライバシーポリシーを改定する際には、法務部門や情シス部門との協議が求められます。また、導入の条件としてユーザーがオプトアウトできる仕組みを導入する必要が出てくる場合もあります。このような場合、Cookie同意管理(CMP)ツールの利用が役立ちます。

CAPI対応は大変?

ここまで読んで、「CAPI対応はかなり手間がかかるのでは?」と思われた方もいるかもしれません。確かに、CAPIの導入にはコストや労力、社内調整が必要です。さらに、近年はデータトラッキングやプライバシーに関する世間の目が厳しくなっています。そのため、CAPI導入の判断は慎重に行うべきです。

 

それでも、弊社はCAPIがデジタルマーケティングの効果を最大化するために必要不可欠な手段だと考えています。ただコンバージョン数を測定するだけであればGoogle Analyticsでも代替できますが、広告プラットフォームは、コンバージョンデータをもとに機械学習を行い、広告のROIを高めます。機械学習のための因子を作ることに直接的に貢献するのがCAPIであるともいえます。

 

よって、貴社のプライバシーポリシーが許すのであれば、CAPIの導入を積極的にご検討いただくことを推奨します。

弊社では、CAPIの導入を検討されている企業様から多くのご相談をいただいています。具体的な導入ステップや注意点についてもサポートできます。ぜひお気軽にご相談ください。

 

また、1月末(日程未定)にCAPIの無料解説ウェビナーを実施予定です。今月中旬頃にウェビナーの告知メールをお送りいたしますので、ぜひご参加ください。

執筆/西 正広

 

おすすめ書籍 & コンテンツ

今井むつみ AIが代替できない「この数字おかしくない?」の直観 (日経BOOKPLUS)

 

分析は、近い将来AIが大部分を担うと言われています。
その中で、AIと共存しながら仕事を進めていく際、人間がデータ分析業務で果たすビジネス価値とは何かを考えていました。

 

個人的には、分析業務においては「実際のビジネスの文脈を踏まえながら、分析結果を解釈すること」にあるのではないかと思っています。
そんな時に見つけたこちらの記事。このような人間の役割を「直感」という言葉で端的に表現しており、しっくりきたので紹介します。

以下は記事内でも紹介されている書籍です。あわせてご確認ください。

 

「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?/今井 むつみ (著)

執筆/葉井 貴秋

 

最後までお読み頂きありがとうございます。

気になったトピックはございましたか?

 

「こんなテーマを取り上げてほしい」「もっと詳しく知りたい」という内容があれば、ぜひこちらのメールに返信してお知らせください。

寒い日が続きますが、どうぞお体を大切にお過ごしください。

 

本年もどうぞよろしくお願いいたします☃