#005 GA4で迷わない!「見るべきデータ」の選び方とは?
お世話になっております。月曜日のトラの西です。
1月末に月曜日のトラ初のセミナー「CAPI解説セミナー」を開催しました。聴講いただいた方に御礼を申し上げます。

みなさんのアンケート回答を拝見しましたが、「役に立った」「社内に共有したい」という意見も聞かれた一方で、「難しい」というご意見も多くいただきました。いただいたご意見はしっかりと今後のセミナーにも反映していきたいと思います。
さて、今回オンラインセミナーをやって痛感しましたが、セミナーをイチからやるのは本当に大変です。セミナーの資料作成、話す練習などはもちろん、集客LPの作成、Zoomウェビナーの操作、各種メール作成、参加者アンケート作成、当日の香盤表作成、リハーサル、そして質問がゼロだったとき用のみんなが聞きたいであろう質問の準備など(笑)
今回弊社が通った苦労は皆さんにシェアして、みなさんがセミナーでも始めてみようかなと思った際の参考にしてもらうべく、「はじめてのオンラインセミナーのやり方」セミナーでも開いてみようかなと思案中です。
📌 目次
- GA4の活用と見るべきデータ
- フリーコラム/データの分断が生む機会損失とは
- おすすめ書籍/「売れるブランド」は何が違う?
- GA4データ探索徹底解説セミナーのおしらせ
- MarkeZine Day 2025 Springに登壇します!
知っておきたいGA4
こんにちは。
データアナリストの葉井です。
「知っておきたいGA4」第2回目になります。
第1回ではレポートを使ううえで理解しなければならない「ディメンション」と「指標」について解説しました。お読みいただいた方は、なんとなくデータの出し方のイメージがついたのではないかと思います。
みなさんが次に抱く疑問は「具体的にどのデータを見ればいいんだろう?」ではないかと思います。
実際、私もGA4の活用支援をしていると
「私たちのサイトの場合、どんなデータをチェックすればいいんですか?」
とよくご質問をいただきます。
第2回のコラムでは「どのようにしてGA4で見るべきデータを決めるのか」を解説していきます。
結論から言うと、サイトやアプリのKGI・KPIを出発点に考えるのがおすすめです。
まずサイトやアプリ上でのゴールをはっきりさせてから、そのゴールに必要な要素を逆算していき、KPIツリーを作っていくということですね。
たとえばBtoBサイトの場合、ユーザーに達成してほしいゴール(KPI)は「お問い合わせ」や「資料請求」といったアクションがメインになるはずです。

そのKPIを構成する要素は、「フォームへのアクセス数」×「フォーム通過率」になります。
フォームにアクセスしてもらえなければ申し込みや問い合わせは増えませんし、アクセスしても途中で離脱されてしまえば成果にはつながりません。
次に、フォームへのアクセス数を増やすには何が必要か?
と掘り下げて考えると、フォームへの動線があるサービスページや導入事例ページへのアクセス数とフォームに遷移するCTAボタンのクリック率を高める必要があります。
では、そのサービスページや導入事例ページのアクセス数を増やすにはどうしたらよいか?を考えると、ページの遷移元はどこか、どのチャネルから流入しているのか、、、というように見るべきデータが見えてきます。
このように、KPIを達成するために必要な要素をひとつひとつ洗い出していくと、自然と「どんなデータを見ればいいか?」がはっきりしてきます。
もし「GA4で見るべきデータがわからない…」と感じているなら、まずは自社サイトやアプリのKPIツリーを作ってみてはいかがでしょうか。
執筆/葉井 貴秋
データの分断が生む機会損失
〜購買データとアクセスログの融合の可能性〜
アパレルのECサイトでMD(マーチャンダイジング)をしていた経験があり、その当時のこと、実際の現場の人間はどんな数字を見てどう判断していたか。出来なかった自戒も含めて書かせていただきます。
タイトルでネタバレしていますが、我々企画が日々追いかけるのは購買データのみで、アクセスログを見る必要性や価値を理解していませんでした。
アクセスログはマーケティングに特化した部署が主に広告のために使用していたように思います。
我々は売れる商品を作ることがゴールで、取り組み方についてはルールはありませんでした。
デザイナー出身のMDは感性的に、私はデータから売れ筋を見つけるやり方でした。具体的には過去の購買履歴を分析し、価格・色・年齢・プロパー消化率など、様々な切り口で特異点や共通点を探し出し次の商品づくりに生かしていました。(データから何かしらヒントを見つける方法は、GA分析でも生きたように思います。)
ただ購買データはあくまで購入した人のデータであり、「購入」というアクションの人の分析ばかりしていて、買わなかった人がなぜ買わなかったのかを考えることはしていませんでした。
服という商材は、企画から発売まで早くて3-4か月。売上が悪かったとして、ロジックを修正して商材に落とし込めるのは数か月後です。
リードタイムを考慮すると、データを活かして企画に反映したら、もっと打率をよくできたのではないか?と考えてしまいます。
アクセスログから「購入しなかった人、検討したが他のアイテムを買った人」のボトルネックを把握し、商品や施策で改善できたら売上に繋がると感じるのです。
- 購買データから見えた人気商品の「未購入層」がどこで離脱したのかを特定する。
- アクセスログから、購買には至らなかったが関心を持っていたユーザー層を抽出し、最適なアプローチを考える。
- 過去の購買傾向とサイト閲覧データを組み合わせ、より精度の高いリターゲティング広告を打つ。
上記はChatGPTからの案ですが、「アクセスログ×購買データ」の組み合わせで売上を伸ばす施策はたくさんありそうです。
在籍していた企業では、アクセス解析ツールはマーケチームのみ利用可能で、その他の部署にはあまり公開されていませんでした。
データから打ち手を見出したい!と思うタイプの人は少なく、
リソースを鑑みると活用できたかはわかりませんが、もっと自由にデータを触れる環境だったら...と想像してしまいます。
データの分断は多くの企業で起こっている課題です。
しかし、今は「データを横断的に活用する」ことが競争力を生む時代。
購買データとアクセスログを組み合わせることで、新たな顧客層の開拓やブランドの成長が可能になります。
もし、自社でこのようなデータの分断が発生していると感じているなら、ぜひ一度ご相談ください。データを繋ぐことで、これまで見えなかった可能性が広がるかもしれません。
おすすめ書籍 & コンテンツ
フィリップ・コトラーに代表されるSTP分析、ターゲットマーケティング、CRM戦略といったものを批判し、マーケットシェアこそが売上につながるということを統計的に主張しています。
例えば、ターゲットマーケティングの王道である「ニッチを攻める」という戦略。これは、トップシェアを持つブランドが持っていない機能をとがらせて、トップシェアブランドが獲得できていない小さい市場のニーズのシェアをまるっと取りに行く戦略です。
しかし、実際に顧客を調べてみると、ニッチを狙ったブランドとトップシェアを持つブランドの顧客の多くが重複しているのです。
実態は、ニッチを狙ったブランドの商品を購入しているユーザーは、いわゆるカテゴリのヘビーユーザーであり、いろんなブランドの商品を買っているんですね。一方で、購入頻度の低いカテゴリのライトユーザーはニッチ商品を買わずに、とりあえずトップシェアブランドの商品を買うので、トップシェアブランドの売上が伸びていきます。
これが「STPよりもマーケットシェアが重要である」というロジックのひとつです。上記のような、従来当たり前と思われていたマーケティング理論が実は統計的には異なる、別の法則があるんだということが書かれているので、ご興味があれば読んでみてください。
今号のおすすめ書籍を担当した梶井に「後発がマーケットシェアを奪うためにやることもその本に書いてたりするの?」と聞いてみました。
「ブランドに一貫性を持たせろ、広告を継続的に出せ(中断してはいけない)という話でした。とにかく目立って、ユーザーの記憶に残り続けないとシェアは取れないというのずっと主張している感じですね。」 とのこと。
ふむふむ。こうしてメールマガジンを出していることも、データで困ったら月曜日のトラという想起を獲得するには役に立つのかなと思いつつ、読者のみなさまのお役に立つ情報発信を続けていきたいと思いました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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