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#010 HubspotとSalesForceの違い/Dashboards are dead

作成者: 月曜日のトラ|2025/5/16
 
お世話になっております。月曜日のトラの西です。
 
 

こんにちは。GWはいかがお過ごしでしたか?

遊びに出かけた方、ゆっくり休んだ方、お仕事だった方、さまざまだったと思います。

 

私はGW中にあちこち出かけまして、移動時間が長かったので、ラジオをよく聴いていました。そこで耳にした「ラジオショッピング」がとても印象的でした。声だけで商品の魅力を伝えるのは難しそうですが、プロのラジオ販売員はさすがです。

 

たとえば、

「○年前に購入したあなた。実は今のXXは消費電力が昔の半分なんです。○年使えば元が取れちゃいます。いいでしょーう?」

と、リスナーに語りかけながら共感を引き出します。

 

こうした“同調を促す演出”は、LPよりテレビ、そしてテレビよりもラジオのほうが効果が高いのでは、そんなことを感じたGWでした。

普段ラジオを聞いていない方はぜひ聞いてみてください。ラジオには商売のヒントがたくさん詰まっています。

📌 目次

  • HubSpotに触れてわかったSalesforceとの違い
  • Dashboards are dead

HubSpotに触れてわかったSalesforceとの違い

“オブジェクト構成”から考える、ツール選定の視点

私はこれまでSalesforceを中心に営業支援(SFA)やCRMの導入・構築に携わってきましたが、最近はマーケティング領域の支援でも、HubSpotを扱う機会が増えています。

どちらも優れたSFA/CRMプラットフォームですが、支援者として両者に触れる中で、「似ているようで、考え方がまったく異なる」点がいくつかあると感じています。

その中でも特に象徴的なのが、“オブジェクト構成”というデータ設計の自由度です。ここでいうオブジェクトとは、「取引先責任者(コンタクト)」「取引先(会社)」「商談(取引)」など、CRMやSFAで扱う情報のまとまりを指し、システム上で管理・関連付けを行う単位です。

ツールごとに、このオブジェクトの種類やつながり方、カスタマイズの自由度には大きな違いがあります。今回はその違いを軸に、両者の良さと気をつけるべき点を整理してみたいと思います。

HubSpotは「最初から使いやすく、完成されている」

HubSpotは、コンタクト(取引先責任者)・会社(取引先)・取引(商談)・チケット(ケース)という主要な4オブジェクトを中心に構成され、導入初期からフォーム、スコアリング、ワークフロー、営業通知などが直感的に設定できます。

この“完成された設計”は、システムに不慣れなチームでもすぐに使い始められるという点で大きなメリットです。

特に、マーケティング部門が主導して導入するケースや、小〜中規模の組織で運用体制が限定されている場合、HubSpotのスムーズな立ち上がりは非常に効果的です。

Salesforceは「業務にあわせて自在に形を変えられる」

一方でSalesforceは、標準オブジェクトに加えてカスタムオブジェクトを自由に設計でき、複雑な業務や組織構造を柔軟に反映できます。

例えば、1つの商談に複数の製品や部門が関与するケース、パートナー・子会社・代理店との多段階の取引管理など、業務の“リアル”に合わせた設計が可能です。

また、Salesforceではオブジェクト同士の関係(1対多、多対多など)を自在に設定できるため、複雑なデータ構造や連携が求められる場合にも対応しやすいという強みがあります。

HubSpotが自由すぎないことの意味

HubSpotにもカスタムオブジェクト機能はありますが、利用には条件があり、構造設計の自由度や拡張性ではSalesforceに比べると制約があります。

ただこれは「劣っている」というよりも、“誰にとっても運用しやすいようにあえて自由度を制限している”設計思想によるものです。

業務がまだ定型化されておらず、チーム間の連携設計もこれから、という企業にとっては、HubSpotの“ちょうどいい自由度”はむしろ安心材料になるでしょう。

自社に合った設計の自由度を選ぶことが重要

どちらが優れている、という話ではありません。重要なのは、自社の業務プロセスや運用体制の成熟度、そして今後の拡張性を踏まえて選定することです。

  • 「すぐに成果を出したい」「まずはシンプルに始めたい」ならHubSpot
  • 「複雑な取引や部門連携を管理したい」「将来の拡張も視野に入れている」ならSalesforce

そのように使い分ける発想が、SFA/CRMツールを“導入して終わり”にしないための第一歩になると感じています。

次回は、そんなHubSpotを活用する中で見落とされがちな「リード管理の設計のつまずき」について、構造視点から掘り下げていきます。

執筆/村田 麻美

Dashboards are dead

先日、こんな記事を読みました。
Dashboards are dead: https://steep.app/blog/3-reasons-to-go-metrics-first
 
Dashboards are dead、つまり ダッシュボードは不要になる という趣旨の記事です。
ダッシュボードには、データをわかりやすく可視化できるという利点がありますが、データの不整合や管理の煩雑さといった欠点も抱えています。
 
しかし、最近ではMCPの登場により、BigQueryとAI(LLM)を簡単かつ高速に接続できる環境が整ってきました。
これによって、すべてのデータをあらかじめ定義・管理された「メトリクス」として扱い、ユーザーは自然言語で「◯◯の推移を見たい」と入力するだけで、正確なデータを即座に抽出・グラフ化できる世界が、遠くない未来に実現されるかと思います。
 
ダッシュボードを使用している企業が抱えがちな一般的な課題として、以下が挙げられます。
  • ダッシュボードを使用する人が偏っている
  • 数字に強くない人はデータの解釈が難しい
  • 指標の定義が人によって異なる
  • メンテナンスコストがかかる
一方、上記のような世界線が訪れると、誰でも正しくデータ分析を行えるようになります。
もうすぐそこに、データが民主化された世界が来る予感がしており、純粋に楽しみです。
 
こうした未来が現実になるためには、あらかじめ正しい形でデータを整備し、メトリクスを一元管理しておくことがより重要になってきます。
 
ダッシュボードに頼らない時代こそ、「裏側のデータ設計」が価値を生む時代になると思います。
 
  

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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