こんにちは。GWはいかがお過ごしでしたか?
遊びに出かけた方、ゆっくり休んだ方、お仕事だった方、さまざまだったと思います。
私はGW中にあちこち出かけまして、移動時間が長かったので、ラジオをよく聴いていました。そこで耳にした「ラジオショッピング」がとても印象的でした。声だけで商品の魅力を伝えるのは難しそうですが、プロのラジオ販売員はさすがです。
たとえば、
「○年前に購入したあなた。実は今のXXは消費電力が昔の半分なんです。○年使えば元が取れちゃいます。いいでしょーう?」
と、リスナーに語りかけながら共感を引き出します。
こうした“同調を促す演出”は、LPよりテレビ、そしてテレビよりもラジオのほうが効果が高いのでは、そんなことを感じたGWでした。
普段ラジオを聞いていない方はぜひ聞いてみてください。ラジオには商売のヒントがたくさん詰まっています。
私はこれまでSalesforceを中心に営業支援(SFA)やCRMの導入・構築に携わってきましたが、最近はマーケティング領域の支援でも、HubSpotを扱う機会が増えています。
どちらも優れたSFA/CRMプラットフォームですが、支援者として両者に触れる中で、「似ているようで、考え方がまったく異なる」点がいくつかあると感じています。
その中でも特に象徴的なのが、“オブジェクト構成”というデータ設計の自由度です。ここでいうオブジェクトとは、「取引先責任者(コンタクト)」「取引先(会社)」「商談(取引)」など、CRMやSFAで扱う情報のまとまりを指し、システム上で管理・関連付けを行う単位です。
ツールごとに、このオブジェクトの種類やつながり方、カスタマイズの自由度には大きな違いがあります。今回はその違いを軸に、両者の良さと気をつけるべき点を整理してみたいと思います。
HubSpotは、コンタクト(取引先責任者)・会社(取引先)・取引(商談)・チケット(ケース)という主要な4オブジェクトを中心に構成され、導入初期からフォーム、スコアリング、ワークフロー、営業通知などが直感的に設定できます。
この“完成された設計”は、システムに不慣れなチームでもすぐに使い始められるという点で大きなメリットです。
特に、マーケティング部門が主導して導入するケースや、小〜中規模の組織で運用体制が限定されている場合、HubSpotのスムーズな立ち上がりは非常に効果的です。
一方でSalesforceは、標準オブジェクトに加えてカスタムオブジェクトを自由に設計でき、複雑な業務や組織構造を柔軟に反映できます。
例えば、1つの商談に複数の製品や部門が関与するケース、パートナー・子会社・代理店との多段階の取引管理など、業務の“リアル”に合わせた設計が可能です。
また、Salesforceではオブジェクト同士の関係(1対多、多対多など)を自在に設定できるため、複雑なデータ構造や連携が求められる場合にも対応しやすいという強みがあります。
HubSpotにもカスタムオブジェクト機能はありますが、利用には条件があり、構造設計の自由度や拡張性ではSalesforceに比べると制約があります。
ただこれは「劣っている」というよりも、“誰にとっても運用しやすいようにあえて自由度を制限している”設計思想によるものです。
業務がまだ定型化されておらず、チーム間の連携設計もこれから、という企業にとっては、HubSpotの“ちょうどいい自由度”はむしろ安心材料になるでしょう。
どちらが優れている、という話ではありません。重要なのは、自社の業務プロセスや運用体制の成熟度、そして今後の拡張性を踏まえて選定することです。
そのように使い分ける発想が、SFA/CRMツールを“導入して終わり”にしないための第一歩になると感じています。
次回は、そんなHubSpotを活用する中で見落とされがちな「リード管理の設計のつまずき」について、構造視点から掘り下げていきます。
執筆/村田 麻美
ここまで読んでいただきありがとうございました。
よろしければXにて #月トラメルマガ を付けてご感想をポストしてくださいね🐯