#013 AIで進化するデジタル広告
お世話になっております。月曜日のトラの村田です。
梅雨真っ只中ではありますが、すでに夏のような暑さが続いていますね。朝の空気や日差しの強さに、夏の到来を感じる今日この頃です。

最近の月トラメルマガはAIの情報発信が続いていますが、今回も前回に引き続きデジタル広告におけるAI活用についてのコラムです。
📌 目次
- デジタル広告における最新のAI活用状況
- おすすめ書籍「数学ガールの秘密ノート/やさしい統計」
デジタル広告における最新のAI活用状況
前回のコラムで記載した通り、デジタル広告や関連業界では数年前からAI活用を自らのプラットフォームに追加してきました。その流れが現在さらに活発になっています。
例えばGoogleです。
彼らは10年ほど前に媒体推奨の運用構成設計を提唱しました。その際に「機械学習」という言葉を用い、データ活用によってさらなる成果向上を行っていることを明言してきました。そして2年前の自社基調講演「Marketing Live」からは、「機械学習」という内容が「AI」に変化しています。
では、実際のAI活用はどのような状態か、解説してみたいと思います。
Googleにおいては上述の運用構成や、P-MAXと呼ばれる機能はすでに運用者にとって一般化しました。P-MAXとは「機械学習による成果の最大化に向け複数の配信面を横断した広告配信を1キャンペーンで実施できる」機能です。さらに5月末に発表されたAIによるキーワード拡張とマッチング向上される配信機能(AI Max for Search、現在ベータ版公開が進行中)も登場しました。
また、AIによる画面への広告表示テストも進んでおり、積極的にAIの活用が進んでいる印象があります。
Microsoft広告もこの流れに追従するように昨年、「広告にて活用する画像などのアセットを自動生成する機能」を中心にAI活用した機能がローンチされました。
さらに、少しAI活用機能導入が遅れ気味という印象があったYahoo!広告でも本年2月より「広告配信に設定するキーワードを生成AIで提案する機能」がローンチされています。
プラットフォームごとの違いはありますが、これまで蓄積された実績を基にしたAI活用は各プラットフォームの特色を持ちつつ着実に進行しています。
ただし、デジタル広告の配信は配信機能(Demand)と配信先(Supply)の両方が必要です。これまでに記述したのはDemand側のお話でしたが、無論Supply側でもAI活用は進んでいます。
グローバルな広告主では実施が必須となることも多いアドベリフィケーションがあります。これは広告がきちんと人に視認され、ブランド棄損が起こりにくい配信先に掲出されているか検証するものです。
残念ながら機械的なインプレッション発生やブランド棄損につながる配信先への露出は増えており、業界における大きな課題の一つになっています。
アドベリフィケーションソリューションの一つであるDoubleVerifyでは本年6月前半より、2年前に買収したAI企業Scibidsの技術を活用しています。
上述のアドベリフィケーション機能にAIを活用したソリューションの提供を開始し、これまで別々な機能に分かれていた内容を一元化・同時実施できるようになりました。おそらく今後競合社でも同様な動きが起こることが想像されるでしょう。
今回記載した内容はあくまで業界全体のAI活用におけるほんの一握りにすぎません。今後は「まだAI対応していない」機能だけでなく、「AIにより想像していなかった別々の機能が統合管理される」新機能の提供のほうがより進んでいく可能性すら多くなるでしょう。
そしてこれらの成果を正しく管理していく重要性もさらに向上していくはずです。
弊社も業界の急激な変化をキャッチアップしつつ、これらのAI活用の流れにも沿ったうえでお客様へのご支援範囲を広げてまいります。
執筆/南 孝昭
おすすめ書籍 & コンテンツ
データアナリティクスの重要性は理解しているものの、実は文系出身。統計について体系立って学んだことはなくて…。
という人、意外に多いんじゃないでしょうか。
今回は、そんな人に優しく寄り添ってくれる一冊をご紹介します。
著者の結城浩さんは、技術書・数学書の分野で圧倒的な支持を集めるライター。
やさしく深く、誤解のない語り口に定評があります。
本書は、平均や分散、正規分布、標準偏差など、マーケティングでも重要な統計の基礎を、物語を通して自然に理解できる一冊。
物語形式になっているため、あなたが疑問に感じたことを登場人物たちが会話をしながら解決していってくれます。数学のレベルは、章を追うごとに中学、高校、大学とあがっていきますが、「うわぁ、難しい」と感じたら、数式を読み飛ばしても大丈夫。ふわっと分かった気にはなれます。
数式に苦手意識はなくとも、実は「好きな数学ジャンルは統計ではなくて」という人にも、データを読み解く感覚を身につけたい方にも、おすすめの1冊です。
執筆/岩永 梢絵
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか?
実は文系出身の私はおすすめ書籍がとても気になりました。
皆さんも今回のメルマガのご感想やご意見を #月トラメルマガ のハッシュタグをつけてXにてポストしてみてくださいね🐯
