メールマガジンバックナンバー

#017 データアナリストが意識しているGTM運用のポイント

作成者: 月曜日のトラ|2025/9/16

お世話になっております。月曜日のトラの岩永です。

9月中旬、そろそろ秋の訪れを感じたい季節となりました。

 

今回は、マーケティング効果測定の中核を担う Googleタグマネージャー(GTM)の運用に関して、データアナリストが意識している重要ポイントをご紹介いたします。

 

複数の担当者や代理店が関与する環境では、タグやトリガーの重複、不要タグの残存などにより計測精度が低下するリスクがあります。それらを未然に防ぐ体制整備のポイントを整理しました。

 

📌 目次

  • データアナリストが意識しているGTM運用のポイント
  • おすすめ書籍&コンテンツ
  • セミナーのお知らせ

データアナリストが意識しているGTM運用のポイント

現在、多くの企業で GTM が効果測定の中核を担っています。しかし、複数の担当者や代理店が関わることで、以下のような問題が頻発しています。

  • タグの重複設定:同じ計測目的のタグが複数存在
  • トリガーの競合:同一条件のトリガーが複数作成される
  • 不要タグの放置:使用されなくなったタグが残存

これらの問題は、設定ミスによる計測エラーを引き起こし、レポーティング時の判断材料が不正確になったり、メンテナンス工数の増加や、ウェブサイトの読み込み速度低下による CVR 悪化など様々な成果悪化のリスクになります。

GTM 運用体制整備の必要性

そもそも GTM は、運用ガイドや統一ルールなしに管理できるツールではありません。現状の計測設定の多くを GTM が担っているため、GTM の運用の乱れ=計測設定の乱れと言えるでしょう。

複数部署や代理店が関わる環境では、特に統一された運用体制が不可欠です。

押さえておきたい 2 つのポイント① 運用ガイドの策定

■ 命名規則の統一

タグ、トリガー、変数に一貫した命名規則を設けることで、管理効率が大幅に向上します。例えばタグの場合には [用途大区分_媒体・ツール名_目的や詳細] という、命名規則を使用することが多いです。

例:Google広告の購入CV計測タグ → AD_GoogleAds_CV_購入完了

このように命名規則のフォーマットを決めて運用することで、一目で用途が分かり、重複設定の発見や管理が容易になります。

■ 運用ルールの明文化

応用的な活用が増えてくると「このツールのタグには必ず変数XXを紐づけてほしい」のような潜在的な要望が増えてきます。このような場合、GTMの操作がちょっと得意な人が見えない家事的に裏で整備していたりして、無駄なリソース消費につながっているケースがあります。

誰が何を設定するか、どのような手順で作業するかを明確にし、全関係者で共有しておくことで、全体のリソース最適化にもつながります。

押さえておきたい 2 つのポイント② 権限管理の最適化

■ 管理局の設置

問題の根本は、管理できないほど多くの人が GTM に関わることです。管理局を設け、公開権限を持つ人を限定することが効果的です。

■ 段階的権限付与

すべての設定を管理局が代行するのは現実的ではないため、設定者には編集権限までを付与し、公開は管理局が行うなど、段階的な権限設定を検討しましょう。

まとめ

GTM の効果的な運用には、初期段階での体制整備が不可欠です。運用ガイドの策定と適切な権限管理により、計測精度の向上とメンテナンス効率の最適化を実現できます。

今こそ、GTM 運用体制の見直しを行い、確実な効果測定基盤を構築しましょう。

執筆/梶井 祥

Twitter

おすすめ書籍&コンテンツ

AI駆動マーケティング 業務効率化を超える生成AI実践術 / 馬渕 邦美 (著), 柴山 大 (著)

 

G検定(AI活用リテラシー習得を目的とする検定試験)の学習を通じて、生成AIの歴史や仕組みをテクニカルに理解してきた自分にとって、この本は「AIの知識がかみくだかれ、直観的にわかりやすく書かれている」本でした。

ChatGPTをはじめとする生成AIが注目を集める中で、その背景にある技術や活用の実践例を、専門知識がなくてもスッと入ってくる形で丁寧に解説してくれています。技術の進化がめまぐるしい時代において、変化に柔軟に対応する力=「普遍的な対応力」を身につけるためのヒントが散りばめられている点も印象的でした。

 

執筆/山口 聖子

LinkedIn

セミナーのお知らせ

計測を誤れば、広告投資の意思決定も誤る
いま知っておくべき デジタル広告効果測定の原則

広告配信の成果を正しく把握できていますか?媒体単位の数値しか見られず詳細な検証ができない、URLパラメータの設定に迷う、日本語表記で正しく計測できるか不安…といった声を多くいただきます。

本セミナーでは、デジタルマーケティングで必須となる「URLパラメータ」の正しい活用法を中心に、成果を正確に計測・分析し、次の施策へつなげるための基本と実践ポイントを事例と共に解説します。

BtoB/BtoC問わず役立つ内容で、計測漏れや分析の不具合を防ぐ実践的なヒントが得られます。参加費は無料です。ぜひご参加ください!

【概要】

  • 開催日:2025 年 9 月 25 日 (木) 13:00 - 14:00
  • 会場:オンライン、ZOOMウェビナー
  • 対象者:複数の広告媒体を運用しているマーケティング担当者・責任者、広告効果測定に課題を感じているデジタルマーケティング担当者の方
  • 参加費:無料
  • 講師(登壇者):南 孝昭(株式会社月曜日のトラ)

 

最後に

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

GTM は、運用ガイドや権限管理を整えるだけでも、現場の混乱を減らし、安心してデータを活用できるようになります。まだ残暑が続きますが、体調に気をつけつつ、データ活用の改善にも取り組んでみてくださいね。

次回も、役立つデータ分析情報をお届けしますのでお楽しみに!

メルマガの感想は、Xでシェアしていただけるとうれしいです! #月トラメルマガ のハッシュタグをつけてシェアしてくださいね🐯