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#018 GA4 MCPにより、GA4とBigQueryの連携は避けて通れないステップに

作成者: 月曜日のトラ|2025/9/30

お世話になっております。月曜日のトラの岩永です。

 

秋晴れの日が続いて、空気もぐっと澄んできましたね。落ち葉のカサカサ音に季節の移ろいを感じつつ、旬の食材を味わうのが楽しい季節になりました。そろそろ、衣替えを考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

9月最終日にお送りする今回のメルマガは、弊社アナリストが生成AI時代だからこそ、GA4とBigQueryの連携は避けて通れないステップになってきたということについてお話しさせていただきます。

「必要性は感じているものの、実はまだ未連携」という方、ぜひ、最後までお読みください。

📌 目次

  • AI時代。GA4とBigQueryの連携は避けて通れないステップに
  • おすすめコンテンツ【運用型広告】で重要な"周辺"スキルとキャリアパス
  • 10月開催予定セミナーのお知らせ

AI時代。GA4とBigQueryの連携は避けて通れないステップに

ChatGPTをはじめとする生成AIを、日常的な分析補助に活用している事例が増える中、7月末にGA4のModel Context Protocol (MCP)サーバーがローンチされてから、2ヶ月が経ちました。時の流れの速さを感じます。

GA4 MCPを使うとGemini CLIやClaude Codeなどのツールから自社のGoogle Analyticsプロパティに接続し、自然言語でデータを抽出できるようになります。

 

例えば、「9/1にCVR改善を目的として、サイトのフォームを改修したので、9/1以前と以降でサイト全体のCVRを比較してください」という質問をすると、MCPがGA4に接続しデータを取得、AIがレポーティングまでしてくれます。

こういった流れからデータ分析が民主化されGA4をそれほど知らなくても、誰もが簡単にインサイトを得られる未来がくることは明白です。私も徐々にGA4 MCPを使って業務を進めており、「そう遠くない未来に私のやっている仕事をAIがやってくれるのだろう」と、嬉しく思っています。

GA4とBigQueryの連携はこれからの当たり前に

自然言語を使ってデータを抽出、分析する流れになっていく中で、GA4をBigQueryに連携しておくことがますます必須になってきます。

GA4をBigQueryに連携するとどうなるのか?というと、GA4のローデータ(生のデータ)をBigQueryに貯めていくことができるようになります。ローデータを扱えるので、「GA4ではデータが14ヶ月で消えてしまう」問題を回避できたり、「GA4のGUIではできない高度な分析ができる」ようになるという恩恵を受けることができます。

 

「ローデータを扱える」という点についてもう少し掘り下げてみましょう。GA4上のレポートは、「完成した料理」です。シェフ(Google Analytics)はユーザーが食べやすいように、データを見栄え良く、サマリーして提供してくれています。便利ですが、盛り付けや味付けは、シェフの決めた通りです。

 

一方、BigQueryにエクスポートされたGA4のローデータは、「調理前の食材」です。例えば、「ユーザーが商品Aのページを見た」という行動は、GA4上では単に「ページビュー」という数字にまとめられていますが、ローデータでは以下のような情報が、行動の要素として詳細に記録されています。

  • 誰が (ユーザーID)
  • いつ (時刻)
  • どこで (ページURL)

つまり、ローデータを扱うことで、GA4ではできない、より高度な分析ができるのです。

BigQuery連携により自然言語分析が本領を発揮する

GA4 MCPが登場したことで、自然言語でデータにアクセスするハードルは下がりました。ただ、より幅広い分析を行うには、BigQueryにローデータを置くことが有効です。

BigQueryで分析するにはSQLという言語を使わなければなりません。これは非エンジニアには少しとっつきにくく、GA4とBigQueryを連携させるハードルにもなっています。

 

しかし、BigQueryのMCPを使えば自然言語でデータ分析ができるようになります。非エンジニアによる分析が容易になるため、ますます連携しない理由がなくなってしまうのです。

 

さらに、MCPを使って自然言語でデータにアクセスしていくのであれば、集計済みのGA4のデータよりも、BigQueryのローデータにアクセスさせたほうが、AIが分析してくれる幅も広がります。

サーチコンソールも同様にBigQuery連携を

GA4と並んで重要なのが、検索分析の要であるGoogle Search Console(以下、サチコ)のデータです。実は、サチコでわかる「どんなキーワードで検索されて、何回クリックされたか」というデータも、取得できる期間に制約があります(16ヶ月)。

 

それを回避するという点だけでも、BigQueryにデータをエクスポートしておく意味があります。GA4の場合と同様にサチコのデータをBigQueryにエクスポートしておくことで、より分析業務が捗るのです。

おわりに

GA4やサチコのBigQuery連携は元々しておくべきなのですが、AI時代になってきたからこそ、より連携の重要性が増したと思います。

設定自体は数分で終わります。お使いのChatGPTが長考モードに入ってしまったときにでも設定してみてはいかがでしょうか。

 

ちなみに、BigQueryの利用料金はデータの貯蓄費用+クエリ費用です。BigQueryの料金には無料枠がありますので、GA4やサチコを連携するだけ(データを貯蓄しておくだけ)の場合、サイトの規模によっては当初はほぼ料金がかからないことも多いです。

執筆/葉井 貴秋

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執筆/小松 愛

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最後に

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

BigQueryとの連携はおすみですか?もしまだでしたら、ぜひこの機会にGA4やサチコをBigQueryに接続してみてください。設定自体は数分で可能です。もし、上長の承認が必要でしたら、今回のメルマガの内容を元に説得してもいいかもしれません。

 

皆さんも今回のメルマガのご感想やご意見を #月トラメルマガ のハッシュタグをつけてXにてポストしてみてくださいね🐯