メールマガジンバックナンバー

#026 順位に一喜一憂する時代の終焉。AI検索時代のマーケターが考えるべきこと

作成者: 月曜日のトラ|2026/1/27

お世話になっております。月曜日のトラの岩永です。

 

大寒の強烈な寒さに襲われた先週、弊社内ではGoogleのLLm.textの話題でひと盛り上がりしておりましたが、皆さまはいかがお過ごしでしたでしょうか。風邪などお召しになっておりませんか…?

 

さて、今回のメルマガから新しくリレーコラム形式の連載が始まります。

 

弊社アナリスト、マーケターによる「AI時代に思うこと、考えること」をテーマにしたフリーコラムです。

 

先週のセミナーでは、データ駆動マーケティング的な視点でもって2026年にやるべきこと・考えるべきことをお伝えしましたが、メルマガでは生成AI時代に考えておきたいこと・忘れたくない視点をお話します。

 

第1回になる今回は、コンテンツマーケター畑出身の岩永が、AI時代におけるコンテンツマーケティングの本質について書かせていただきました。「順位が死んでも、顧客への想いは死なない」——そんな考察から始まるこのコラムは、AI時代だからこそ見えてくる、マーケティングの本質を問い直すものです。
また、今回もおすすめ書籍の紹介と2件のセミナー紹介もございます。

ぜひご参考ください。

目次

  • リレーコラム:「AI時代に思うこと、考えること」①
  • おすすめ書籍 & コンテンツ
  • 2月開催予定:セミナーのお知らせ
  • 弊社アナリスト登壇セミナーのお知らせ

リレーコラム:AI時代に思うこと、考えること①
101回目のアプローチ

AI時代、SEOの順位が死んでも、顧客への想いは死なない。

「この記事を書いたところで、AIのオヤツにもならないんじゃなかろうか」

コンテンツを作成するたびにこんなセリフが頭をよぎるのは私だけではないだろう。

生成AIが登場して以来、一定品質のコンテンツはプロンプトさえ組めば誰でも量産できるようになってしまった。検索もKWではなく文章での検索になり、パッと答えがわかるものはもはや検索結果画面に表示されるAI回答で事足りてしまう。

 

上位を占めるコンテンツは、Googleの言う「経験・専門性・権威性・信頼性」を満たすどこかで見たような有名企業が軒を連ねている。どこのサイトに行っても似たり寄ったりの内容だったかつての検索結果が良かったかと言われれば、頷きがたいが、それでも、検索順位に一喜一憂した日々は楽しくもあった。

 

今は…たまに虚しい。

ユーザーを考える、それ以外に何があるのか

順位というわかりやすい指標があてにならなくなったせいで虚しい。しかし、その虚しさは歓迎すべきことでもある。と思う。我々マーケターはコンテンツを届ける側の人間であるということを否応なしに思い出させてくれたからだ。順位を追っていたころは、ややもすれば競合サイトの内容にばかり気を取られ、ユーザーのことは二の次三の次になってしまいかねなかった。

 

AI時代もその前の時代も、マスマーケティングという言葉がかすれてきたあたりから、届ける側が考えるべきことは「ユーザーについて考える」こと。

ユーザーが何を求めているのか。今、何に困っているのか。自分たちの商品やサービスが、それにどう役に立つのか。それについてユーザーに憑依できるくらいに考え抜く、それはマーケターの基本姿勢だ。

 

検索エンジンのアルゴリズムをハックするその前に、競合サイトを分析するその前に我々にはやるべきことがあるのだ。「ユーザーのことを考える」その思考の中に、本来のコンテンツマーケティングはあると思う。

 

その「ユーザー」は、まだ見ぬ検索者だけではない。 机の端に積まれたままの名刺の主や、かつてセミナーに足を運んでくれたあの方。つまり、一度でも接点を持った「顔の見える相手」。

泥臭い。しかし、昔も今も、本来のマーケティングはユーザーを考える泥臭い仕事だった。それはAI時代も変わらない。むしろ、その本質が浮き彫りになっただけのように思う。

 

AI時代の思考停止は死亡フラグだ

「泥臭い仕事はAIにやらせてしまえ」そんな欲望がわく瞬間もある。しかし、AIが提供してくれる「楽さ」に引きずられて、考えることをやめるのは、死亡フラグだろう。

 

我々マーケターが住んでいる世界には正解がない。正解がないなら、考え続けるしかない。試して、失敗して、学んで、また試す以外に道はないんじゃなかろうか。

今日考えた施策が、AIによって数時間後に車輪の再発明になってしまうこともあるだろう。朝の常識が夕方には通用しないかもしれない。だからこそ、思考することを辞めてはいけない。

 

AIが作業を楽にしてくれたのなら、その楽になった時間で何をするか。そこがマーケターとしての本当の価値が問われるターニングポイントになるとも思う。

 

「無駄かもしれない」を恐れずあえて泥臭い方を選ぶ

コンテンツマーケティングの未来は、決まった答えにあるのではなく、ユーザーを考え続ける姿勢の中にある。AIがそれっぽい答えを出してくれる時代だからこそ、生身の人間が考え・感じなければならないことが増えている。

 

既存顧客のセグメンテーション、パーソナライズされたアプローチ、タイミングの最適化。HubSpotのようなMAツールを使えば、実行は自動化できる。けれど、「誰に何を届けるか」「なぜそれを届けるのか」という問い立てとそれに対する回答への判断は人間がしなければならない。

 

その判断には、ユーザーのことを考え続けた人間の直観力というものも必要だと思う。

 

ユーザーの『Say-Yes』を得るために何をすべきか

コンテンツマーケティングという単語が陳腐化したとしても、ユーザーのことを考え最適解を探す姿勢が必要であることに変わりはない。必要なのはユーザーのためのアプローチを101回でもする覚悟と考え続ける忍耐力、1回目のアプローチをする実行力ではないか。

101回という回数は、AIというアシスタントを手に入れた今、決して不可能ではない。

 

まずは、机の端に積まれたままの名刺。かつてメルマガを購読してくれていたあの顧客。営業が過去に接触した企業の担当者。そうした「顔の見える相手」に対して、思考を巡らせることから始めてはどうだろう。

 

 執筆/岩永 梢絵  

おすすめ書籍 & コンテンツ

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矢部 謙介 (著) 

 

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分析や施策提案に「経営視点の裏付け」を持たせたい人、決算書で挫折した経験がある支援会社の方に特におすすめです。

 

 執筆/岩永 梢絵  

 

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。

今回スタートした「AI時代に思うこと、考えること」リレーコラムはいかがでしたか。コラムで提示した「ユーザーを考え続ける」という姿勢は、コンテンツマーケティングだけでなく、あらゆるマーケティング施策の基本と考えています。

AI時代だからこそ、考え続けることの価値が高まる。そんなメッセージが皆さまの取り組みのヒントになれば幸いです。

次回は、弊社アナリストが分析という観点からコラムを書く予定です。

引き続きご期待ください。

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