#028 SaaS is Deadは本当か。データアナリストが考える生き残るSaaSとは

お世話になっております。月曜日のトラの岩永です。 

2月も後半を迎え、早くも春の気配がしますね。地域によっては梅の花もほころび始めたとか…? ウェブとデータアナリティクスの世界では、Agentic AI(自律型AI)の実用化が進んできました。三連休は自分の分身作りに熱中したという方も多いのではないでしょうか。

さて、今回は弊社アナリストによるリレー連載「AI時代に思うこと、考えること」の2回目です。

 

SaaS is DeadAIdeadD-1今回の執筆者は、昨年末のGA4セミナーが好評を博したアナリストの葉井が担当です。
「SaaS is Deadの議論から考える、AI活用の鍵」というタイトルでお送りします。

 

📌 目次

  • リレーコラム:「AI時代に思うこと、考えること」②
  • おすすめ書籍 & コンテンツ
  • 2月開催予定:セミナーのお知らせ

 

リレーコラム:AI時代に思うこと、考えること②
SaaS is Deadの議論から考える、AI活用の鍵

最近、「SaaS is Dead」という議論をよく見かけます。AIエージェントが何でもやってくれるなら、わざわざ月額課金でツールを使い続ける必要はないんじゃないかと言うものです。

実際、フォームビルダーや簡易なページ作成ツール、画像変換、議事録作成のような「単機能で完結するSaaS」は、AIに飲み込まれていく可能性が高いと思います。

ただ、これは「SaaSが不要になる」という話ではありません。MicrosoftCEOのナデラは2024年に、

"多くのSaaSは突き詰めると「データを入れて、見て、直して、消す」というデータベースの基本操作にきれいな画面をかぶせているだけだ"

と指摘しています。不要になるのは、そういうSaaSです。


逆に、生き残っていくSaaSは何が違うのか。それは、サービスの利用を通じて一次情報を取得し、そのデータから新しい知識や価値を生み出す仕組みを持っていることです*1。
 
わかりやすいのがStripeという決済処理のサービスです。

決済を通じて蓄積された膨大な取引データを使って、不正決済を自動検知するサービスをつくり、取引履歴から返済能力を判断して融資するサービスまで始めました。「決済を処理する箱」から「決済データを起点に知識を生み出すプラットフォーム」に進化したわけです。 

そしてこれはSaaSに限った話ではなく、SaaSを使う側の企業にとっても同じことが言えます。

たとえばマーケティングです。

AIに「次のキャンペーン、どのセグメントに何を訴求すべき?」と聞いたとします。自社の購買データも行動ログもなければ、返ってくるのは教科書的な一般論だけです。

しかし、自社サービスを利用している顧客の一次情報がちゃんと揃っていれば、「過去に成約率が高かったキャンペーンの共通点」「離脱しやすい顧客の行動パターン」「コンバージョンに至る人が最初に触れるコンテンツ」のようなデータをAIが解析し、より正確なアウトプットが返ってきます。

マーケティングの仮説やターゲティングの精度が一次情報の質で決まるのは、今に始まった話ではありません。
ただ、以前はそれをやるのに専門のアナリストが何日もかけてデータを整理・分析する必要がありました。
それがAIによって、速く、正確に、しかも専門家でなくてもできるようになっています。
一次情報を持っていることの価値が、AIによって一気に引き上げられたということです。 

「30代女性」のようなざっくりしたセグメントではなく、自社の顧客行動に基づいた、自社だけの粒度でターゲットを切れるようになる。これは一次情報を持っている会社にしかできないことです。 

AIの性能は誰でも同じものが使えます。差がつくのはAIの側ではなく、データの側です。一次情報を取得し、整え、そこから何を生み出せるか。それがAI活用の鍵になっていくと思います。

 

*参考:「SaaS is Dead」の本当の意味 チャレンジャーが取るべき戦略

 

 執筆/葉井 貴秋 

 

おすすめ書籍 & コンテンツ

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知っておけば怖くない ファシリテーション超入門 場をまとめて成果を出す 「会議・打ち合わせ」の進め方

竹本記子 (監修)

 

この本は代表・西より、冬休みの課題図書として託されました。
月トラでは定例で30分の短時間マーケティングMTGを行っています。

実はこのMTG、当初はうまく回せていませんでした。
誰かが話しすぎて時間オーバーしてしまったり、目的が曖昧なまま議論が広がってしまったり…。


しかし、
・アジェンダを事前に用意する
・目的を明確にする
・所要時間を決める

といった基本を徹底することで、円滑に回るようになりました。

本書を読んで感じたのは、
「あ、これ月トラのMTGでやっていることが体系化されている」ということです。
ファシリテーションは特別な才能ではなく、設計と準備で変えられるもの。
急にMTG進行係になった方、会議をどう回せばいいか悩んでいる方には、ぜひ読んでほしい一冊です。

 

執筆/小松 愛

 

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。
AIを利用したプロダクトが次々と出てきますが、「最後の責任は人間」です。「だってAIがそういったから」で終わらせる人にはならないようにしたいですね。 

次回の「AI時代に思うこと、考えること」リレーコラムは三月下旬発行の予定です。弊社アナリストが執筆いたします。 

引き続きご期待ください。 

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