お世話になっております。月曜日のトラの岩永です。
梅雨明けが待ち遠しいこの頃です。東京では厳しい暑さが続いているそうですね、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
以前からいわれてきたことではありますが、支援会社の仕事の進め方が変わってきているのを肌で感じます。マーケターがAIと壁打ちしながら叩き台を作り、クライアントとの打ち合わせでは仮説の精度を高め、意思決定を進めていくのが当たり前になりつつありますね。
ただ、AIが良い叩き台を作れるかどうかは、もとになるデータの質次第です。正しく計測され、整理されたデータがあってこそ、AIの提案も実務で活用できるものになります。
今号のフリーコラムは、弊社データアナリストの梶井より「GA4のカスタムチャネルグループ」をご紹介します。今年5月に追加された新チャネル「AI Assistant」が参照元によって分裂して分類されてしまう問題と、その解決方法を解説します。
おすすめ書籍は、統計の基本を学び直せる一冊を。
それでは、今号もぜひお楽しみください。
GA4でアクセス解析をするとき、まず「チャネル」(Organic Search、Paid Socialなど)でレポートを見る方は多いと思います。手軽で分かりやすい一方、チャネルだけを見て分かった気になってしまうのは、実は少し危険です。
理由は2つあります。
1つ目は、チャネルが「一次情報ではない」という点です。
チャネルは、参照元(source)とメディア(medium)を条件にグループ化された、いわば加工済みの情報です。たとえばSNSを運用しているとき、投稿URLのUTMパラメータでメディアを「social」とするか「paid_social」とするかで、同じSNSアカウントからの流入でもチャネルは別のものに分かれてしまいます。チャネルだけを眺めていると、こうした事情には気づけません。誤判断をなくすためにも、一次情報である参照元/メディアまで確認する習慣が大切です。
2つ目は、流入経路によってデータの中身が異なるという点です。
検索から来た人、SNSから来た人、メルマガから来た人では、行動パターンも購買意欲も傾向が異なります。「どんなユーザーが、どこから入ってきているのか」を参照元/メディアの粒度で知ることで、アクセス解析の切り口も、施策実行のスコープも適切に決められるようになります。
ところで、一般的に「チャネル」と呼ばれているものは、厳密にはGA4の「デフォルトチャネルグループ」のことです。これはGoogle公式が「一般的にはこう分けるといいよね」と用意してくれたグルーピング定義です。
これとは別に、参照元・メディア・キャンペーンを使って自分たちでグルーピング定義を作れる機能があります。それが「カスタムチャネルグループ」です。
たとえば、デフォルトチャネルグループを使っていて「Unassigned」というグループを見たことはないでしょうか。よくあるのは、QRコードのUTMパラメータでメディアに「qr」と入れているケースです。ほかにも、チラシ用に「leaflet」と入れているケースもあります。こうしたオフライン施策をまとめて見たいと思っても、デフォルトチャネルグループには適した分類がなく、Unassignedに落ちてしまいます。
ここがカスタムチャネルグループの出番です。「メディアがqrまたはleafletの場合はOfflineチャネルに分類する」と、自分たちで決めることができます。
参照元/メディアで細かい実態を把握しつつ、大枠での施策の状態をとらえたいときには、自社の施策状況に応じたカスタムチャネルグループでサッと把握する。この2つを組み合わせて使うのがおすすめです。
さて、ここからが本題です。2026年5月ごろから、GA4に「AI Assistant」という新しいチャネルが追加されました。文字通り、ChatGPTやClaudeなどのAIアシスタント経由の流入です。
しかし、これも参照元/メディアを細かく見てみると、「chatgpt.com」という同じ参照元に対して、メディアが「ai-assistant」「referral」「organic」などに分裂しており、それに伴ってチャネルも分裂しています。どういった定義で分類されているのか、実態としてはよく分からない状態です。
さらに、この新しいチャネルは5月以降のデータにのみ適用されており、過去分のデータはReferralなどに割り当てられたままです。同じchatgpt.com経由の流入が、時期によって別のチャネルに計上されている——データの連続性という観点で、あまりよろしくない状態です。
そこで、先ほどのカスタムチャネルグループです。
カスタムチャネルグループなら、独自の定義によって、分裂してしまったチャネルを割り振り直して統一できます。たとえば「参照元がchatgpt.comやclaude.aiなどの場合は、メディアが何であってもAIチャネルに分類する」と決めてしまえばよいのです。
さらに、カスタムチャネルグループはレポート表示時に適用されるため、過去分のデータにも遡って反映されます。つまりデータの連続性も担保でき、今回のように新しいチャネルが突然増えた場合でも、問題なくデータをモニタリングし続けられます。
GA4のチャネルは便利な反面、その裏側の定義は意外と動きます。まずは自社のレポートで参照元/メディアを開いて、チャネルの中身が想定通りかを確認してみてください。思わぬ発見があるはずです。
月曜日のトラでは現在、GA4分析を起点とした新プロダクト「スーパーアクセス解析(仮)」を開発中です。
計測設計・集客分析・CVR改善提案までをAIが一気通貫でサポートし、実装の実態やユーザーの挙動まで踏み込んだ分析を目指しています。
近日中に詳細をご紹介できればと思いますので、ぜひご期待ください。
執筆/梶井 祥
最近読んで分かりやすかった一冊が『完全独習 統計学入門』です。
統計というと難しい数式のイメージがありますが、本書では、平均・分散・標準偏差・正規分布などの基本を、身近な例を使いながら丁寧に説明してくれます。
たとえば「平均」は、すべての数値を足して件数で割ることで求められる代表値です。一方で、極端に大きい値や小さい値があると、その値に引っ張られ、実態とは少し違って見えることもあります。
本書では、平均を単なる計算式としてではなく、データの中心をどう捉えるか、数字を見るときの注意点まで分かりやすく学べます。
データ分析やマーケティングに関わる中で、なんとなく使っていた指標の意味を改めて理解するきっかけになりました。
統計を基礎から学び直したい方におすすめです。
執筆/小松 愛
AIを活用したGA4分析が注目されていますが、その前提となる計測データが正しいとは限りません。
「設定した担当者が退職して仕様が分からない」
「実際の問い合わせ数とGA4の数値が合わない」
といったケースも多く、AIも不正確なデータから正しい分析を行うことはできません。
そこで月曜日のトラでは、先着5社限定でAI+人間による「GA4設定 無料診断サービス」をご提供します。
AIによる網羅的なチェックに加え、プロのアナリストがGA4・GTMの設定を確認し、改善点や本来あるべき計測設計をPDFレポートにまとめてご報告します。
診断後の対応は自由です。
レポートを参考に自社で改善いただくことも可能ですので、お気軽にご利用ください。
前回、一部のセミナーで配信を開始したとご案内した「セミナーアーカイブページ」のお話です。
先月6/18開催分を除く過去セミナーすべてで、アーカイブ配信を開始しました。
この機会にぜひ、ご活用ください。
※過去配信セミナーの中でも一部セミナーは配信しておりません。
※6/18セミナーについては8月初旬頃に配信開始予定です。
今号でご紹介した「カスタムチャネルグループ」は、GA4の裏側にある分類ロジックを、自分たちの実態に合わせて定義し直せる機能です。
AI Assistantチャネルのように新しい流入経路が急に増えたときも、これを使えばデータの連続性を保ったまま把握し続けられます。
まずは自社のレポートで参照元/メディアを開いて、チャネルの中身が想定通りかを確認してみてください。思わぬ発見があるかもしれません。
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