#038 「AIでSEOは終わる」、自社のデータで確かめましたか?
「AIでSEOは終わる」「ゼロクリックが増える」。この夏も、そんな大きな見出しを見かけます。読むたびに少し不安になる一方で、では自社サイトは実際どうなのかと聞かれると、答えられる人は意外と少ないのではないでしょうか。

今号のフリーコラムは西から。Google Search Consoleに追加された、生成AI機能でのサイト表示状況を確認できる新しいレポートについて、実際のデータを見た経験をもとに書いています。
おすすめ書籍も西から、AI時代にこそ効く定番の一冊を。
それでは、お楽しみください。
フリーコラム
「AIでSEOは終わる」の前に、自社のデータを見る
Google Search Consoleに、AIによる概要やAIモードなど、検索の生成AI機能におけるサイトの表示状況を確認できるレポートが追加されました。
(参考:Search Console に検索の生成 AI のパフォーマンス レポートを導入)
先日、このレポートが表示されているサイトのデータを見る機会がありました。
そのサイトでは、通常検索のインプレッション数だけでなく、生成AI機能でのインプレッション数も右肩上がりに伸びていました。さらに、通常検索のCTRやクリック数についても、少なくとも現時点では低下しておらず、むしろ上昇していました。
もちろん、これは一つのサイトの事例です。
この1サイトの結果だけで、
「AIによる概要が出てもクリックは減らない」
「生成AIはSEOにプラス」
と結論づけることはできません。
AIが回答を完結させる場面が増えればクリックが減る、ゼロクリックが進む——そんな懸念にも理由があります。
だからこそ、印象や一般論ではなく、自社のデータで事実を確認する必要があります。
今回の新レポートでは、生成AI機能で自社URLがどれだけ表示されたか(主にインプレッション数と表示URL)を確認できます。
一方で、クリック数や検索クエリは見られず、データの蓄積も2026年6月ごろから/未公開のプロパティもあるなど、まだ発展途上です。
それでも最低限、次は押さえておきたいです。
・全インプレッションに占める生成AIインプレッションの割合
・生成AI表示の増減と、通常検索のCTR/クリック数の変化
・生成AIに表示されたURLと、通常検索のクエリ/トピック(検索意図)との対応
生成AIによる影響はサイトごとに異なります。
「クリックは減りそう」で止めず、データで自社はどうなのかを確かめる。
生成AI時代のSEOは、そこから始めるべきだと思います。
執筆/西 正広
おすすめ書籍 & コンテンツ紹介
具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ 細谷 功 (著)
あまりにも有名な一冊ですが、AI時代になった今こそ、本書で語られている内容の重要性は増していると感じます。
AIは、個別の事例から共通点を見つけて抽象化することも、抽象的な概念を具体的な施策や表現に落とし込むことも得意です。
これまで人間が時間をかけて行っていた「具体と抽象の往復」を、非常に速いスピードで実行してくれます。そのため、表面的には「自分で抽象化や具体化ができなくても、AIを使えば困らない」ともいえます。
一方で、AIが出した答えを適切に評価し、議論を前に進めるためには、私たち自身が「いま、どの抽象度の話をしているのか」を捉える必要があります。
抽象的な方針を話しているのに、いきなり個別の手段を議論していないか。
具体的な問題を解こうとしているのに、抽象論だけで終わっていないか。
AIの回答が、問いとは異なる階層の話にすり替わっていないか。
AIが具体化と抽象化を代行してくれるからこそ、人間には、その往復を俯瞰し、現在地を判断する力が求められます。本書は、そのための基本的な思考の型を理解するうえで、非常に有益な一冊です。
なお、細谷氏の新刊として
『システム開発と「具体と抽象」―問題発見と問題解決を往復する「思考のメタ化」を身につける―』
も、まもなく刊行されます。
私もさっそく予約しました。今から楽しみです。
執筆/西 正広
残枠あり:AI+分析のプロによるGA4設定診断

AIを活用したGA4分析が注目されていますが、その前提となる計測データが正しいとは限りません。
「設定した担当者が退職して仕様が分からない」
「実際の問い合わせ数とGA4の数値が合わない」
といったケースも多く、AIも不正確なデータから正しい分析を行うことはできません。
そこで月曜日のトラでは、先着5社限定でAI+人間による「GA4設定 無料診断サービス」をご提供します。
AIによる網羅的なチェックに加え、プロのアナリストがGA4・GTMの設定を確認し、改善点や本来あるべき計測設計をPDFレポートにまとめてご報告します。
診断後の対応は自由です。
レポートを参考に自社で改善いただくことも可能ですので、お気軽にご利用ください。
「ゼロクリックが増えるらしい」で止まらず、自社のSearch Consoleを開いてみる。今号のコラムのこの一歩は、生成AIの話題に限らず、データに関わる仕事すべてに通じる姿勢だと感じます。
新しいレポートはまだすべてのプロパティに公開されているわけではありませんが、もし表示されていたら、まずは全体に占める生成AIインプレッションの割合だけでも眺めてみてください。
メルマガで取り上げてほしいテーマがありましたら、ぜひご連絡ください。
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