#031 LookerStudio 使われないダッシュボードを動かす3つの用途
お世話になっております。月曜日のトラの岩永です。
桜の見頃も終わり、新年度のレポート体制を整え直している方も多いのではないでしょうか。
弊社はグループ会社と一緒にAIもくもく会を実施することになりました。週に1回1時間、業務内容の違うメンバーで作業をすると新しいアイデアに巡り合えますね。
さて、今号のメルマガでは、3月26日に弊社代表・西が登壇したセミナー「成果が伝わるデータ可視化とLooker Studio」のハイライトをお届けします。

セミナー中、「あるある」と大きくうなずくようなご質問をいただいたこのセミナー。ダッシュボードに関する悩みは深いですね…。
Looker Studioをこれから触る方も、すでに何枚もダッシュボードを作ってきた方も、ぜひご一読ください。
📌 目次
- ・3月セミナーハイライト
- ・セミナー質問に詳しく回答
- ・4月開催予定:セミナーのお知らせ
3月セミナーハイライト
去る3月26日、弊社主催で「成果が伝わるデータ可視化とLooker Studio」セミナーを実施いたしました。登壇したのは弊社代表の西。本メールでは、当日のエッセンスを3つのポイントに凝縮してお届けします。
Looker Studioを通じて、「使われるダッシュボード」とは何かを問い直す
セミナー冒頭、西はLooker Studioの強みを概観しました。
そのうえで、月曜日のトラがクライアント支援の現場で繰り返しぶつかってきた本質的な問いを取り上げました。
「ただ作るだけで、成果は伝わりますか?」
きれいにビジュアルが整っているのに、誰にも見られないダッシュボード。
経営層に見せても何の意思決定にもつながらない数字の羅列。多くの現場で起きている問題です。そこで、ダッシュボードを「使われる状態」に持っていくための3つの観点を、セミナー内でじっくり整理していきました。
セミナーの核となる3つのポイント
1.ダッシュボードには3つの用途がある
ダッシュボードは万能ツールではありません。次の3つのうち、「どの用途を狙うのか」を最初に決めることが、使われ続けるための第一歩です。
- レポート代替:
月次・週次の報告書を不要にする。「見に行けば同じ数字がある」状態をつくり、関係者全員が同じ画面を見ながら議論できるようにする。更新作業の時間を施策検討や意思決定のための時間に置き換えに使います。 - ヘルスチェック:
KPIや重要指標が「いつもの状態」から逸脱したことを早期に検知する。数字を漫然と県めるのではなく、通常状態からのズレを見つけるための装置として使います。 - 目標に対する進捗確認:
四半期・年次の目標に対して、今どこにいるのか、達成可能か、を一目で把握する。施策の優先度やリソース配分の判断材料に直結する使い方です。
3つは目的が違うので、混ぜると「何を見たらいいか分からない」ダッシュボードになります。1ページ=1用途、を徹底するのがコツなのです。
2.機能しないダッシュボードは「目的の欠如」が原因
Looker Studioは自由度の高いツールです。触っていると楽しくてグラフをどんどん追加してしまいます。結果、見た目は立派でも誰も見に来ないダッシュボードが量産されていきます。
たとえば、レポート代替を狙ったのに「見に行く理由」が設計されていなければ、いつの間にか誰も開かなくなります。これの対策は、Slackやメールでの定期通知で見るきっかけを作ること、定例会議で「まずここを開く」導線を業務に組み込むことです。
また、ヘルスチェックを狙ったのに「通常状態」が定義されていなければ、異常に気づけません。対策は、通常レンジを明確化したうえで、閾値・アラートを設定し、判断を人に委ねないこと。
さらに、進捗確認を狙ったのに「達成ペース」が見えなければ、未達に気づくのが遅れます。対策は、目標値と実績を同じ画面に並べてギャップを明示し、達成見込みと未達時のアクション基準を事前に決めておくことです。
罠の構造を知っているだけで、ダッシュボードの寿命はずいぶん変わります。
3.ダッシュボードは PDCA ではなく OODA で回す
ダッシュボードの使い方は PDCA ではなく OODA ループで考えましょう。
PDCA は計画ありきの「結果評価」のループ。一方の OODA は Observe(観察)→ Orient(状況判断)→ Decide(意思決定)→ Act(実行)という、「次の一手を決める」ためのループです。
ダッシュボードは現状を観察し、解釈し、打ち手を決めるための入口です。
振り返り評価は別のレポートに分けて運用すればよい、という切り分けをすると、ダッシュボードの役割が驚くほどクリアになります。
「ダッシュボードに完成はない」
最初に作ったダッシュボードが完璧に使われ続けることは、まずありません。
フィードバックをもらい、不要なグラフを外し、見出しを書き換え、また使ってもらう。
この反復こそが「使われ続けるダッシュボード」をつくります。ツールではなく、運用です。これも本セミナーのキーメッセージの1つです。
セミナー質問に詳しく回答
セミナー当日、こんな質問をいただきました。
「過去にデータソースの結合(ブレンド)に挑戦して挫折した経験があります。身につけるための学習のコツはありますか?」
少し込み入った内容になるため、セミナーでは簡潔な回答しかできませんでした。
この場ではAIを活用した学習方法をご紹介します。
まず「結合方式」と「キー列の重複」を押さえる
Looker Studioのブレンドでつまずくポイントは、ほぼ次の2点に集約されます。
1.テーブルの結合方式の理解不足
左結合・内部結合など、「どのテーブルのどのデータを入れる/入れないか」で結合方式が変わります。
ひとつのレポートで左結合と右結合が混在していると見る人を混乱させるので、方式は統一するのがおすすめです。
2.結合キー列の重複
キー列に重複があると、レコードが掛け算的に増えてしまいます。これを防ぐには、そもそも重複が起きないテーブル設計を意識することが一番の近道です。
AIを使って小さく再現しながら手を動かす
結合方式を全パターン座学で覚えるより、手元の「今まさに困っている1つのレポート」を元にサンプルデータを作成。ClaudeやChatGPTと壁打ちしながら試してみることをおすすめします。
本番レポートをそのまま使うと戻せなくなる可能性がありますし、生データの内容をそのままAIに読み込ませるとセキュリティ的に問題があるので、AIにサンプルデータを作ってもらうところから始めてください。
サンプルデータが完成したら「最終的にこんなダッシュボードがほしい」と尋ねながら、手を動かしましょう。不明点がでてきたらAIにその場で理由を言語化してもらうこともお忘れなく。これを繰り返すとブレンドの地図が頭のなかにできるはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
3月セミナー概要はいかがでしたか。
今号で持ち帰っていただきたいチップスは、
「手元のダッシュボードを一つ選び、このレポートは誰の何の判断につながるか?を一文で書き出してみる」
です。書けない場合、それはまだ使われる状態になっていないサインです。
次号はGW直前の4/24頃配信予定です。昨年好評だった「連休前の学習コンテンツ紹介」をお届けします。
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